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映画「ジョーカー」感想 バットマンを見てなくても楽しめます!

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最近巷で何かと話題の映画「ジョーカー」。

アメリカでは、ジョーカーの関連作品で2012年に公開された「ダークナイトライジング」(バットマンを基にした映画)の上映中に起きた銃乱射事件を懸念して、公開前から警戒態勢を強化しているというニュースもありました。

そんなニュースを見て「人気あるんだなー」くらいに思っていたんだけど、私自身は「「ダークナイトライジング」どころか「バットマン」のようなアメコミ映画すら見たことがありません。

息子に誘われて「話題になっているから」という理由だけで見に行ってきましたが。

衝撃。苦しい。切ない。かっこいい。面白い。

一言では言い表せないけど、前情報なしでも全く問題なくすっごい面白かった!!です。

 

 

ヒーローものには興味なかったけど、「ジョーカー」はヒーローものではなく、社会の暗い部分に焦点を当てた1人の男(ジョーカー)の物語でした。

きっと誰もが共感を持てる要素があると思います。

第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞も受賞していました。

金獅子賞貰うのも納得!!傑作と呼ばれるも納得!!の素晴らしい作品でした。

ただし、ピエロ恐怖症の人には本当に怖いと思う。

ピエロの大群が出てくるシーンもたくさんあるから。笑

 

目次

映画「ジョーカー」あらすじ

 

 

 

1981年、ゴッサムシティ(架空の都市)で年老いた病気の母の面倒を見ながら、派遣のピエロとして働くアーサー・フレックス(後のジョーカー)。
アーサーは精神的な持病を抱え、孤独でありながらもコメディアンとして成功することを夢見ていました。
ある日、ピエロの仕事中に街の不良たちに襲われた挙句、ピエロの仕事で使っていた看板を壊されてしまい弁償させられることに。
この出来事をきっかけに不幸は続き、仕事もクビになり、同じタイミングで持病のサポートを受けていたしのサービスも無くなることになり、アーサーの人生は大きく変わっていく。

 

ジョーカーを演じる俳優さんはホアキン・フェニックス。

私の世代だと懐かしい、今は亡きリバー・フェニックスの弟さんです。

役作りのために24kgも減量したそう。身体中でジョーカーを表現していたのが印象的でした。

 

映画「ジョーカー」感想(ネタバレあり)

 

ここから先はネタバレありの感想です▼▼

これから見る人は見ないでね!

 

 

 

 

突然笑い出してしまう病気

 

始まりから終わりまでを通して、重く悲しいストーリでした。

「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」と言う母親の言葉に、ピエロの仕事もコメディアンになるための努力もするアーサー。

アーサーには本人の意思とは関係なく、突然笑い出してしまうという脳の障害があります。

そのせいもあり、周りから距離を置かれ「危ないやつ」「変わり者」みたいな目で見られているわけです。

 

 

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バスの中で突然笑い出すシーン。他の乗客はみんなギョッっとしてアーサーを訝しげに見ていたんだけど、私が同じバスに乗っていたとしてもきっと同じ反応をすると思う。

アーサーは「病気のせいで突然笑い出してしまいます。」みたいなカードを携帯していて、それを見せて他人にも理解してもらおうとしていました。

これだと分かりやすいし、変に怖がられなくても済むけれどそれで解決するって話でもありません。

昔からこの病気のことを周囲に理解してもらえない孤独な気持ち、笑いの発作の度に傷ついて蓄積されてきた気持ちが、アーサーの自信がなく殻に閉じこもって、どうにかしたいのにどうにもならない諦めの塊のような人間になっているように見えました。

アーサーの笑いの発作の時の独特な笑い声。

笑いたくないのに笑い声は止まらないけど、目は笑ってなくていつも悲しみに沈んでいる。

アーサーを演じたホアキン・フェニックスの演技が絶賛されているはずだわ。

苦悩しているアーサーそのものでした。

後に明らかになる、脳の障害の理由にも驚愕。。。

何が本当で嘘なのかちょと分からなくなってきます。

 

 

 

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度重なる不幸

 

笑いの発作のせいで苦悩するばかりではなく、不幸なことが1度にたくさん襲いかかってきます。

 

  • 仕事の解雇(これは自業自得)
  • 医療サービスの終了(投薬やカウンセリング。これも自分ではどうにも出来ない事)
  • 地下鉄で白人男性たちを射殺した(間違いなくアーサーが悪い)
  • 母親が脳卒中で倒れる(仕方ない)
  • 実は母親も精神疾患を患っていた(妄想性障害)
  • 自分は養子で母親の恋人に虐待を受けたことで脳に障害を負った。そして母は黙認していた。(これはひどくショックな事実)
  • 尊敬していたコメディアンに侮辱される(これはすごく傷つくよね)
  • 恋人だと思っていた同じアパートに住むソフィーとのことは実はアーサーの妄想だった(あらあら)

 

たまたま所持していた銃で、エリート白人男性3人を射殺してしまったのは重大な罪。
(白人男性の態度には相当イラっとしたけど)

小さな不幸は、大なり小なり誰にでも起こりうる困難だったり、すでに悩んでいる事だったりします。

誰にでもある不満。それが全部重なってしまった上に、肉親と思っていた母親にさえ裏切られていたと言う事実に直面した時に、アーサーは母親も殺してしまいます。

ここまでの流れが引き金だったのか、家を訪ねてきた以前の会社の2人の同僚(ピエロの仲間)のうちの1人も殺してしまいます。
(アーサーが使った銃はこの同僚にもらったもの。警察に疑われた時にアーサーは裏切られていた)

この辺りがアーサーがジョーカーへ。ジョーカーが悪のカリスマになった瞬間でした。

 

 

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このシーンは醜くも美しく、単純にカッコ良かった。

このシーンの音楽がまたぴったりでゾワゾワ。

 

 

 

 

この後からの音楽や映像がとてもかっこいいんです!

ジョーカーの悪のカリスマ性がより際立つような演出になっています。

それと同時にジョーカーを演じるホアキン・フェニックスの演技もめちゃくちゃかっこ良さが増していきます。

 

 

 

 

ジョーカーになったアーサー

 

自分を侮辱した、憧れのコメディアンのマレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)の番組に招待されたアーサー。

 

 

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番組が始まる前にマレー・フランクリンと対面した時に、「番組では自分のことをジョーカーと紹介してください」と言います。

番組が始まってジョーカーとして紹介されたアーサー。

何かネタをやるように促されると「自分が地下鉄で白人男性3人を殺した」と話し、自分のことを笑い者にしたマレーを生放送中に射殺してしまいます。

 

警察に連行される途中にパトカーが救急車と衝突し、パトカーの運転手は死亡。

このシーンの音楽も良かった。

 

 

 

街中に溢れかえった、暴動を起こすピエロのお面をかぶり社会に不満の溜まった市民たちにジョーカーは助け出され、ジョーカーはヒーローのように称えられます。

 

混乱したゴッサムシティはジョーカーのせいではなく、理不尽な社会格差や不満、生きづらさを抱えた市民たちにジョーカーがきっかけになっただけなんだと思います。

 

ラストシーン。

アーカム州立病院へ収容されているジョーカー。

手錠をかけられて面談を受けられている途中に笑いの発作が起こります。

カウンセラーがどうしたのか?と聞くとジョーカーは「面白いジョークが浮かんだんだ。理解されないだろうけど。」

その後カウンセリング室から1人出てきたジョーカーの歩く足跡は血にまみれていました。

 

ラストシーンについていろんな考察を見てみたけど、私は見たまんまに受け取りました。

バットマンファンの人が見たら、また違う見方があるのかな?

ただただ、怖くてゾーッとしました。

 

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まとめ

 

悪のヒーローをカッコ良いと思ったことはそんなにないけど、アーサーがジョーカーになっていく課程で、同情できる場面はたくさんありました。

そもそもアーサーは、自分の気持ち(不満や苦悩)を誰にも話せていません。

一人でずっと悩んで抱え込んでいました。

医療サービスのソーシャルワーカーでさえ、いつも同じ質問ばかりしていて本当に相談に乗ってはいなかった。

劇中に「何が正しく何が間違っているのかを決めているのは主観だ」と言うアーサーんーのセリフがありました。

これは確かに共感する。成功者と弱者とでは基準が違うんだから。

この映画で何かを得たんだとしたら、「耳を傾ける余裕を持つこと」という事でした。

身近だとアーサーの例は極端だけど、育児中のママや介護中の人、心を病んでしまった同僚や友人。

身近なところにもきっと「聞いてほしい、知ってほしい」人はたくさんいます。

そういう声を聞ける余裕のある人間でありたいと思います。

 

世界中でジョーカーを支持する声が多いのも理解できました。

影響を受けるかどうかは見る人次第です。

でもジョーカーパのワーに魅了される人は多いと思う。本当にかっこ良かった!!

今年のハロウィンは街中にジョーカーで溢れかえりそうな予感です。笑

 

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